先日、TED Talks (@TEDTalks)から、ロバート・ウォールディンガー(Robert Waldinger)氏の「幸せな人生の作り方」についてのスピーチを紹介するツイートが流れてきました。健康で幸せな人生をおくるために、日々をどう過ごせばよいのか、秘訣を教えてくれるというわけです。
ちょっとのぞいてみたところ、これは耳を傾けるに値するものだ、とわかりました。というのも、これはハーバード大学の研究チームによる、ある調査に基づいており、それは、724人の男性をなんと75年の長きに渡って追跡調査したものでした。被験者はハーバード大学の2年生を皮切りにしているグループと、ボストン近郊の低所得者層に属する若者(だった)グループの2つに分かれており、その両方のグループの、健診結果、アンケート、面談、子どもや奥さん等家族との会話を録音したもの、などなどの膨大なデータを長期的に集めて分析したということです。724人の被験者のうち、60名は、90代になってはいますがまだ健在で、研究は今も続いているのだそうです。
TED "What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness" by Robert Waldinger:
そして、調査の結果、わかったことは、以下の通りです;
幸せは富や名声、仕事に没頭することで得られるものではない。
Good relationships keep us happier and healthier. Period.
(良い人間関係があると、我々は、より幸せに、より健康になる。以上。)
さらに、3点。1つ目は、家族、友達、地域の人などと社会的なつながりのある人が幸せだ、ということ。2つ目に、ただつながっているだけでなく、質が大切だということ。つまり、家族がいるかどうか、とか、友達が何人いるか、ということではなく、それが本当に温かい、良い関係であることにこそ意味がある、ということ。そして最後に、そのような存在があると、年をとった時、記憶力に差が出る、ということです。
今年は身内に不幸があったので、年賀状の代わりに喪中のはがきを送りました。毎年年賀状をやりとりする人は、決まっています。これまでの人生で、小学校、中学校、高校、大学・・・と、その時その時に、知り合って同じ時間を共有して別れを惜しんで。今となってはほとんど会うこともなく、年に1度年賀状を送るだけで失礼してしまっている、そんな人たちです。未熟だった(今もですが)私を受け入れて声をかけてくれていた、そうたくさんいるわけでは無い、限られた人数の人たちです。今、顔を合わせている人達も、状況が変われば、また過去の人になって、年賀状をやりとりするだけの関係になるのでしょうか。そう思うと、何だか寂しい気がしてきます。
いずれにせよ、私が人生のうち、出会って温かい良い関係を持つことができるなんて、本当に偶然の、限られた経験なのだということがわかります。忙しい12月に年賀状を準備するのが億劫になって、もう、会うこともなかなかないし、年賀状送らないとダメ?などとしばしば思ってしまっていたのですが、それは間違いだったと反省してしまいました。これまでに、同じ時間を共有し、一緒に何かを食べ、何かについて語り、何かについて笑ったり怒ったりした人々。ロバート・ウォールディンガー氏のトークを信じるなら、人生はこの人たちを大切にするためにある。油断せずにチャンスを捉えて、心を込めて言葉を送りたい。そう思いました。
TED "What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness" by Robert Waldinger:
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