エド・シーランは表彰式のスピーチの中で、幼いころは顔にあざがあったり、大きな青い眼鏡をかけなくてはならなかったり、片方の耳の鼓膜がなかったり、ととにかく問題だらけで、吃音なんて、自分の問題の中では、どうってことないほどだった。とにかく変わった子供だったと言っています。
But I got heavily into music at a young age, and got very, very into rap music—Eminem was the first album that my dad bought me. I remember my uncle Jim told my dad that Eminem was the next Bob Dylan when I was—say what you want, it’s pretty similar, but it’s all just story-telling. So my dad bought me the Marshall Mathers LP when I was nine years old, not knowing what was on it. And he let me listen to it, and I learned every word of it back to front by the age I was ten, and he raps very fast and very melodically, and very percussively, and it helped me get rid of the stutter. And then from there, I just carried on and did some music,...
(でも、僕は幼いうちに音楽にものすごくのめりこんだ。特にラップにはすごくすごく夢中になった。エミネムが父親が買ってくれた初めてのアルバムだった。その時、おじのジムが父に言ってたよ。『エミネムっていうのは、次のボブ・ディランらしいぜ』って・・・何でも言ってくれていいよ。かなり似てるけど、これは全部物語を語っているようなものなんだ・・・って。で、父親がエミネムの『マーシャル・メイザース』というLPを買ってくれたってわけだ。僕が9歳の頃のことだ。何なのかもわからなかったはずだけど、僕にそれを聞かせてくれた。僕は10歳になるまでに、アルバムの始めから終わりまで一言一句すべて覚えてしまった。エミネムはものすごい速さで、でもきれいなメロディーにのせて、そして、打楽器でもうつようにラップするけど、おかげで、僕は吃音を無くすことができたんだ。そのあと、そこからそのまま続けて、音楽をするようになった・・・)
...It’s just to stress to kids in general is to just be yourself ‘cause there’s no one in the world that can be a better you than you, and if you try to be the cool kid from class, you’ll end up being very boring,...
(「・・・子どもたちみんなにちゃんと言っておきたいのは、ただ、自分らしく、ということだよ。だって、世界中の、君以外の誰も、もっと良い「君」にはなれないんだから。クラスのかっこいいやつみたいになろうとしたら、将来つまらないやつになって終わり、だよ・・・」)
5月10日に公開された"Photograph"のミュージックビデオを観ると、確かに、青い大きな眼鏡をかけて、音楽に夢中になっている男の子の姿が映し出されていて、このスピーチの中でエドが言っていることは、その通りなのだとわかります。そして、幼いエドを捉えているカメラのアングルから、彼の家族がどれだけ温かく彼を見守っていたかもよくわかる。夢中になって何かやっているエドを邪魔しないように、遠巻きに見つめる視線。どの角度から見た時が、一番可愛いかもよくわかっていて、いつもエドを見つめていたことを思わせます。エドの自分らしさはまず、家族に抱きとめられていたのだと思う。だからこそ、エドは、何があろうと、決してぶれることなく自分でも自分らしさを大切にすることができたのだ、という気がします。さらに、そんな「自分らしさ」を十分に育てて、ミュージックシーンで開花させている現在の姿を見ると、困難はあるものだし、そこで過たず正しい道筋を選んで、その場所で何かを積み上げることこそが何より大切なことで、また、それこそが自分なりの人生なのだ、などと思ってしまいました。・・・それにしても、エミネムのラップで吃音を克服した、というエピソード。いい話ですよね。
The quoted part is from:
Ed Sheeran to Kids Who Stutter: Embrace Your Weirdness in TIME
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