2015年5月16日土曜日

確かにそこに存在する理由があって皆、生きている

10代の頃は、詩を読むのが好きで、よく詩を拾い集めていました。見たこともないような新鮮なつかわれ方をする言葉、語感のきれいな言葉、字面の美しい言葉。そんな言葉に驚いては、何度も眺めたり、ノートに書き写してみたりしていたように思います。でも、いつの間にか―仕事をするようになってからか、子供を持つようになってからか―詩のことは忘れてしまっていました。


最近になって、主に歌の歌詞を通じて、また、詩を読むようになりました。そして、brainpickingsに紹介してあった、この美しい詩を知りました。ポーランドの詩人、Wislawa Szymborska(ヴィスワヴァ・シンボルスカ)のPossibilities(「可能性」)という詩です。ポーランドの詩人の詩なのだから、おそらく原文はポーランド語なのでしょう。ノーベル文学賞も受賞されている方のようですので、日本語訳もすでに存在しているのではないかと思います。いずれにせよ、私はこの詩を原文で読むことは、残念ながらできません。ここは、偶然出会った英語訳を読んでおくことにしたいと思います。

この詩には、「私はこっちの方が好き」という事柄が31個列挙されています。その中で私が気に入ったものは、以下の通り。

I prefer movies.
(映画の方が好き)
I prefer cats.
(猫の方が好き) 
I prefer exceptions.
(例外の方が好き) 
I prefer talking to doctors about something else.
(お医者さんと関係の無い話をする方が好き) 
I prefer, where love’s concerned, nonspecific anniversaries that can be celebrated every day.
(恋愛に関しては、特別な記念日ではない毎日を祝福していたいと思う) 
I prefer the hell of chaos to the hell of order.
(秩序だった地獄よりも、混沌とした地獄の方がまし) 
I prefer not to ask how much longer and when.
(いつまで、とか、いつ、なんて、あえて聞かない方がいい)

こういうことを考えていると、私だったらこう、って言いたくなります。

I prefer tiny wildflowers.
I prefer the shadow of the moon light.
I prefer pretending not to notice.
I prefer sitting side by side.
I prefer being despised.

まだまだ続けられそう。
でも、最後の1行は、この1行しかありえません。

I prefer keeping in mind even the possibility that existence has its own reason for being.
(確かにそこに存在する理由があって皆、生きている。その可能性だけでも、いつも忘れないようにしていたい)

引用:The quoted part is from:
brainpickings
http://www.brainpickings.org/2015/03/18/amanda-palmer-wislawa-szymborska-possibilities-poem-reading/?utm_content=buffer19bd6&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer